欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

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活動レポート

暮らしいきいき消費生活講座が開催されました

一級建築士 纐纈 誠

平成28年2月20日に、豊橋市役所講堂で建築士と弁護士による欠陥住宅予防セミナーと無料相談会が開催されました。

これは、欠陥住宅の予防と救済を目的とする当NPO法人と、同じく欠陥住宅の予防や回復を目的に結成された建築士、弁護士及び消費者による任意団体“欠陥住宅被害東海ネット”の二団体によるものです。

名古屋市では既におこなわれていましたが、今回は東三河地方の方々にも欠陥住宅被害の予防方法等について学んでいただこうとの趣旨に豊橋市文化市民部生活安全課からも賛同をいただき、「東三河広域連合消費生活課(豊橋・豊川・蒲郡・田原・新城市、設楽・東栄町、豊根村)の主催」という形でおこなわれ、驚くほど多くの人にご参加いただきました。

セミナーでは、これから家を建てよう、或いは、これから建売住宅・建築条件付土地を買おうと考えている人たち向けに、当会の森登会員が、設計図というものの持つ意味、設計図を描いてもらうまでの必要な打合せ内容・回数・注意点などについて、例えば、“建築主としての要望を伝えたこと”は“相手に伝わったこと”にならない、設計図面は工事の全ての内容が描き込まれている、だけど建築主が設計図を見ても分からない、たぶん大丈夫だろうは危険、建築主としては積極的に説明を受ける姿勢が必要などの指摘と共に、その方法などについての報告がありました。また、建築士が工事中の建物が設計図どおりに施工されているか検査する“工事監理”についても、その意味、重要性などについて詳しく報告がされました。その中で、業者まかせにすることの危険性、施工者とは利害関係のない建築士が建築主側に立って工事を監理することの重要性などの説明がありました。

後半は弁護士の立場から石川真司弁護士が、トラブル事例に学ぶ、自らが自身を守るとの観点から、住宅の入手方法(購入方法)ごとのトラブルの事例と注意点が、また、契約書の持つ意味、契約書の重要性、建築主としてできることなどが報告されました。また、住宅の造り方のあるべき形態と現実の販売方法の違い・問題点などについて説明されると共に、最後にはトラブルに遇ってしまった場合にはどうすればよいかなどのお話もありました。

無料相談会は、建築士と弁護士がセットで相談をご希望された方々に丁寧に回答し、予定時間を大きく延長しておこなわれました。

その中では、雨漏りによる天井の落下、新築1年未満での外壁塗装の剥げ落ちなどの相談があり、建築士からは原因、施工の問題点など技術的な意見が、弁護士からは業者側との交渉方法などについての意見が述べられました。また、これからリフォームを検討しているとの相談の方には、被害を未然に防ぐとの観点から説明があり、また、当会の建築士への設計依頼もありました。

当会としましても、欠陥住宅や詐欺的リフォ-ムの被害の予防・救済に向けて、今後もこのようなセミナーを各地域で開催してまいりますので、ぜひご参加ください。

会場風景